シニア犬で気をつけたい病気
“シニア犬で気をつけたい病気のコラムはこの下から始まります。
シニア期に入ったペットは、どうしても病気とは切り離せないものです。
しかし、定期的に受ける健康診断や飼い主さんの日々のケアやチェックで、重篤な病気でも早期に発見することができ早めに治療することができます。
ペットは言葉を発することができません。
そのかわり食事や歩き方の様子、身体の異変など、飼い主さんが見た目で気付くことができるよう日々サインを出しています。
犬の異変に気付いたら、早めにかかりつけの動物病院に連れて行ってあげてください。
身体に異常があるとき
なんだかぐったりして元気がない。
そんなときは単なる老化のせいだと思い込まず、どこかを痛がってかばっていないか身体の部位を見たり、高熱か低体温になっていないか耳の付け根を触るなどで原因を探ってみましょう。
歩きたがらないときは椎間板ヘルニアや関節の疾患が発症している場合が考えられます。
目やにが出る、黒目や白目、可視粘膜(見ることができる粘膜のこと)の色が違う、そんなときは結膜炎や白内障といった目の病気だけではなく、肝臓の病気のサインが表れているいる場合があります。
鼻が乾いている、鼻をよくなめる、鼻水の色が違う、そんなときは発熱や感染症に感染している場合があります。
通常の犬の鼻はしっとりとしていて、鼻水は無色透明です。
繰り返し鼻血が出る、そんなときは歯周病や腫瘍を疑いましょう。犬はケガによって出す以外に滅多に鼻血を出さないので要注意です。
出たときはどちらの鼻から出たかを確認し、獣医師に相談しましょう。
また、犬は鼻血を舐め取ってしまうのでなかなか出ているときに発見できなくても、周囲の床や家具など生活環境をよく見ていれば確認できることもあります。
いつもと生活の様子が違うとき/主に上半身
飲み水をたくさん飲み、おしっこをたくさんする。
そんなときは腎臓機能の低下や糖尿病などを疑いましょう。また、合わせて見ておきたいのはお腹がどっぷりとしていないか、左右対称の抜け毛がないかという点です。
このような異常が一緒に表れていたらクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)の可能性がありますので注意が必要です。
異常な脱毛が見受けられるときには、脱毛の仕方を見てみましょう。左右対称の場合は甲状腺機能低下症やクッシング症候群の疑いがあります。局所の場合は感染症の疑いがあります。
咳をよくするときは、肺や心臓に重篤な病気の疑いがあることが考えられます。
また夜間の咳の場合は肺水症の可能性が考えられます。
苦しそうに呼吸をする。
そんなときは気道・肺・心臓や血管のどれか、もしくは複合的な異常があるかもしれません。
急に体重が増えてしまった場合は、甲状腺機能低下症などの病気にかかっている可能性があります。
逆に急に体重が減っているときは体内に腫瘍ができていることや、糖尿病にかかっている疑いがあります。
お腹がふくれているときは何によってふくれているのか確認しましょう。水がたまっているときは腹腔内の腫瘍が疑われます。腹水ではないがふくれている場合は、胃拡張や胃捻転が疑われます。
この場合には早急に病院にかかることが必要です。
背中を痛がるときに一番可能性が高いのは椎間板ヘルニアです。 ほかには変形性脊椎症などが考えられます。
いつもと生活の様子が違うとき/主に下半身
おしっこに異常があるときは、具体的にどのような異常があるかを確認しましょう。
例えばおしっこをしないときは、尿結石や前立腺の異常で尿道が塞がっていることや急性腎不全が考えられます。
おしっこの色が違うときは、膀胱炎や膀胱の腫瘍の疑いがあります。
何度もおしっこをするときは尿道や膀胱が炎症している可能性があります。
続いてウンチに異常がある場合ですが、こちらもおしっこと同じで具体的にどのような異常があるかを確認しましょう。
ウンチの色が違うときは出血やすい炎が疑われます。
下痢を何度もするときは胃腸などの消化器に異常がある、もしくはすい臓の機能低下などが疑われます。
便秘のときは前立腺肥大や子宮の腫瘍などが原因の場合も考えられます。
お尻を床にこすりつける仕草が見受けられる、そんなときは肛門嚢炎の可能性があります。また、ウンチのときに痛がるときは肛門腺や前立腺の腫瘍が疑われます。
肛門の周りがふくれてウンチやおしっこが出にくいときは会陰ヘルニアの可能性があります。
歩き方が見るからに変なときは、4足の中でどの足が痛んでかばっているのか確認しましょう。
発見するためには、首と腰の上下動に注目してみてください。 痛みがある足を踏み込んだときは痛みをかばうために首と腰が浮き、逆に痛みがない足を踏み込んだときは首と腰が沈みます。
また、注意しておきたいのが急に後ろ足を痛がるときです。高齢の大型犬によく表れると共に、治りにくい症状の前十字じん帯断裂というものが起きると、痛みで後ろ足をあげたままになります。
まとめ
あげてみると、たくさんのサインを元にさまざまな病気の可能性を見出すことができるのだとわかりますね。
このサインだからこの病気や疾患に絶対かかっている、というわけではありませんので、診療の目安として考えてください。
また、犬種別にかかりやすい病気というものも存在します。
飼われている犬種をもとに、かかりやすい病気がわかれば食生活などで気をつけてあげることで予防に繋がるでしょう。
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